自律神経という言葉を目にしたことがある方も多いか思いますが、そもそも自律神経とはどのようなものでしょうか? また自律神経と腸の関係について触れてみたいと思います。
自律神経は「呼吸」や「代謝」、「体温調節」、「循環」、「内分泌」などの機能をコントロールしている神経系のことです。寝ている間に「呼吸」しているのも 自律神経のおかげで、意識とは無関係に呼吸を行うことができます。
寝ている間も休むことなく働いている自律神経ですが、体や内臓は夜休憩が必要です。実はそれらをコントロールしているのも自律神経なのです。自律神経は大きく2つに大別され、アクティブな状態を支配する「交感神経」とリラックスする状態を支配する「副交感神経」から成り立っています。
交感神経と副交感神経、この2つの神経のバランスが崩れ自律神経が乱れると、自律神経失調症や神経性による胃腸不良(下痢・便秘の繰り返し、胃炎など)や胸やけ、難聴など心と体に様々な影響の原因となります。
そのためどちらも「高いレベルでバランスが取れている」ことが望ましいのですが、交感神経は比較的変わりにくく、主に副交感神経が上下することで均衡をとっていると言われています。
この副交感神経はストレスや緊張の他、加齢によっても低下するため、現代人は副交感神経が低下している人が増えているのです。加齢といっても決して高齢ではなく、男性は30歳、女性は40歳を過ぎると急激に低下すると言われていますので多くの人で注意が必要です。
では副交感神経が低下するとどうなるのでしょうか?
副交感神経が働くと臓器が休まりリラックスするのですが、「腸」や「胃」など消化器系は例外で働きが活発化します。つまり、副交感神経が低下すると「腸」の機能が低下し、便秘になったり腸内が悪玉菌優位になり免疫力が落ちる(リンパ球の働きが鈍る)ことにつながります。
また副交感神経は血管を弛緩し広げ血流を改善すると言われていますので、副交感神経の低下は血流を悪くし、栄養が毛細血管に十分行き届かないことで臓器本来の力を十分に発揮できないことにつながります。
これは逆にも当てはまり腸の機能が活発(腸内環境が整っている)である時は副交感神経が高まり、自律神経のバランスが高いレベルで保ち心身を良好な状態にしてくれます。
自律神経は基本的に意識してコントロールできるものではないので腸を良くすることで、バランスをとることがとても重要なのです。
さらに腸と自律神経の関係は上記以外にもあります。
自律神経は神経細胞がたくさん集まる脳などによってコントロールされていますが、実は腸にも脳に匹敵するほどの神経細胞が存在し、腸も脳と相互に影響しながら自律神経をコントロールしています。
このことから腸が第2の脳と呼ばれたりもします。
脳死となり植物状態になっても呼吸・代謝をして生きていられるのはこの腸が自律神経をコントロールしているからなのです。
自律神経と聞くと脳だけと思われがちですが、腸も重要な役割を果たしています。
腸内環境を改善し、腸の働きを向上させるほか、副交感神経のレベルをあげることでより健康な体作りを目指しましょう!
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