三五館から出版された「ちょっと高くても、コッチ!」に自然食品のショップとして掲載されました。食品添加物の研究者が「安さ」以外の基準を教えてくれる本をご紹介します。
この本の著者は小藪さん。大学卒業後に製薬会社に入社し、添加物の研究に従事。主席研究員にまでなったのに化学者として添加物のあり方に疑問を抱き、食品メーカーに転職。
今は食品会社の顧問、食品販売会社の特別顧問のかたわら、食品系専門学校で教鞭をとっている方です。
冒頭で食品添加物の危険性や問題点をわかりやすく説明したうえで、安全なおすすめ商品を紹介しながら、商品を選ぶポイントも分かりやすく教えてくれている本となっています。
とはいえ、たまに見かける「添加物の全部否定者」でもなくて、合成添加物であっても一部は厳格な使用量である限り問題ないと考えていたり、天然添加物でも一部は使用して欲しくないなど「安全」を基軸として公平な見方をされているという印象を受けました。
メーカーや商品を挙げながら悪い点もズバリ指摘している挑戦的な内容も含め、消費者の視点で分かりやすいので興味のある方はぜひお手に取ってみるといいと思います。
安全で安心な食品を提供したいと思っているのは、研究者・メーカーだけでなく販売店も同じです。とはいえ添加物を使用しない商品の多くは保存期間も短く、手間暇もかかるので価格の面ではどうしても劣ってしまい、値段ではどうしても太刀打ちできません。
若干高くなったとしても、安全で、何よりおいしい自然食品の魅力や価値を少しでも知ってほしいなという思いがあります。それには食品を選ぶ基準として、価格と同じぐらい、安全とおいしさが並んでもらえるように魅力を伝えていくことが大切だなとあらためて思います。
正直に言えば、おいしさはともかく安全性という面においては、一つ一つの添加物や商品の危険性を認識して食べるものを変えたとしてもただちに体が変わるのを実感しにくいとは思います。
安全性の指針として、政府は人体に影響がないとされる合成添加物の量を発表しています。けれども、長期間・継続的に食べた場合でも大丈夫という保証はないと私は思っています。また影響があったとしても添加物との因果関係を証明するのは難しいかもしれませんし、影響があったとしても政府が健康な体を返してくれるわけでもありません。
もちろん自然食品だけ食べていればずっと健康でいられるというわけでもありません。しかし人の体は食べ物からできている限り、体にいいものを摂る努力はとても大切なことです。
日本人は、水も安全も無料の意識が高くまた日本製に対する信用も高いです。そのためか日本のスーパーで売られている日本メーカーが作る食べ物は安全というのが当たり前で、価格のみで選ぶという風潮があると思います。
価格もとても大切です。しかしたまには「なぜ同じ醤油でもなぜこんなにも値段の差があるのか」と疑問をもち、関心を持ってくれる方が増えてくれるといいなと思います。
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