正月やひな祭りなどでよく飲まれる甘酒。甘酒が楽しみという方、多くいると思います。ただこの甘酒はおいしいだけではなく、ものすごく体にいいんです。「飲む点滴」ともいわれる甘酒の魅力をご紹介します。
正月やお祭りなどお祝い事でよく飲まれる甘酒。実は「発酵食品」ということをご存知でしょうか?普段あまり気にしないので意外と知らない方も多いのではないかと思います。
発酵食品は体にいいとよく言われるように、優れた点がたくさんあります。
(こちらの記事も参考に「なぜ発酵食品はこんなにも体にいいのでしょうか?」)
甘酒に限らず発酵食品の利点として代表的なところでは
①栄養の吸収率がアップする
②栄養価が増える
③保存性が高まる
④おいしくなる
⑤菌が腸を元気にする
などがあります。
しかし一口に発酵食品といっても納豆やキムチなどいろんな種類があり、それぞれに特徴が違います。
では甘酒は他の発酵食品と比べてどこが優れているのでしょうか?
他の発酵食品と比べながら見ていきましょう。
発酵食品は「原料」と「菌」によって本当に多くの食品が生まれています。
例えば納豆は大豆が納豆菌により発酵したものですが、畑の肉ともいえる大豆の豊富なたんぱく質が納豆菌により吸収しやすくなったり、ビタミンKが大幅に増加します。さらに水溶性・不溶性食物繊維やレシチン、ポリアミンなど多くの栄養素も含むなど優れた栄養食品として知られています。
では甘酒はというと、「米(もち米)」を「米麹」により発酵して作られます。
(※酒かすから作る甘酒もあります。)
その甘酒はブドウ糖やアミノ酸をはじめ、豊富なビタミンB群や酵素、オリゴ糖、食物繊維などが含まれます。
これらの栄養成分が点滴に似ていることから「飲む甘酒」とも言われます。
これまでで甘酒が優れた食品であることは分かったとしても、なんとなく疑問に思うのが、「米」も「米麹」も原料(?)は「米」だということ。一般的に「米」が栄養豊富とはあまり言われませんよね。
そこで「米」と「米麹」でできた甘酒の秘密について考えてみたいと思います。
大豆だったら栄養豊富なイメージがあるので、納豆が体にいいのは理解しやすいのですが、「米」自体、あんまり栄養豊富なイメージがないと思います。
むしろ「米」というと「糖質(≒炭水化物)」のイメージが強く、栄養豊富どころか「太る」としてマイナスの印象があるといえます。
そこで「カロリーSlism」のサイトにて「米」「米麹」「甘酒」の100gあたりの栄養成分を調べてみました。
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※食品成分含有量を四捨五入し含有量が0になった場合、含まれていないものとし表示していません。
調べてみて最初に思ったのが、「白米=糖質」ぐらいの印象だったのが意外に栄養が豊富だったということです。もちろん糖質が多いのは事実ですし、それだけ食べればいいというものでもないのですが、糖質の塊ということで悪者にするのは申し訳ないなと感じました。
それはさておき、甘酒の成分は100gあたりのエネルギー(カロリー)が白米の約4分の1に抑えられるのは利点としても、その他の成分量も大体4分の1になるので、成分表としてはそんなに特筆すべきところは見当たらないという結果に。
ただし、実は成分だけではわからない利点もあります。その他の違いについて考えてみましょう。
先述のように、甘酒の長所は米や米麹と比較して成分表ではあまり目立った点はありません。でもそこに表れない優れた点があります。
1.良質な炭水化物 ~とっても吸収しやすいブドウ糖~
甘酒は麹菌が作りだす豊富な酵素をもっています。その酵素は炭水化物やたんぱく質を分解してくれるため、お米の炭水化物を吸収しやすいブドウ糖になり、栄養補給に適します。
ブドウ糖は過剰に摂取すると太る原因になりますが、甘酒の豊富なビタミンB群は代謝をあげる作用があるので同じカロリーの割には太りにくいのも嬉しい点です。
2.良質なたんぱく質 ~全9種類の必須アミノ酸~
酵素によりたんぱく質が吸収されやすいアミノ酸が豊富に含まれています。アミノ酸は体内で作り出せるものと作り出せないものの2種類に分かれますが、作り出せないものは「必須アミノ酸」と呼ばれ、食事等で摂取しなければなりません。
その必須アミノ酸は9種類あるのですが、甘酒にはその9種すべてが含まれています。
3.腸を元気にするトリオ ~植物性乳酸菌・食物繊維・オリゴ糖~
腸は消化・吸収・排泄に加え免疫や自律神経まで関わる大切な器官です。
その腸の活動を助ける善玉菌(植物性乳酸菌)が豊富なことに加え、食物繊維やオリゴ糖も含まれるため腸内環境を整える効果も期待できます。
栄養豊富で吸収も早い甘酒は忙しい方の強い味方。
飲むだけで手軽に満腹感も得られるし、正月やひな祭りだけではもったいない!!
もともと夏バテ防止のために飲まれていたと言われていますし、季節やイベントだけにとらわれず、ぜひ普段の生活にとりいれて健康な体を手に入れましょう。
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