良くも悪くも話題となる「水素水」。抗酸化作用に期待される一方で、長期試験の不足や粗悪品など疑問視する声もあり議論は絶えません。そんな中、一部の腸内細菌が水素ガスを産生する可能性が示されました。しかも大量に。そこで今回は腸と水素についてご紹介します。
まず最初に水素水とは一般的に「水素を高濃度に溶かした水」のことです。
水に水素を溶かした水素水が一般的ですが、水素が水に溶けると電子を放出してイオンになる性質から、水に電位を帯びさせて実質的に水素水と同等にした還元水素水などもあります。
いずれの水素水も共通して期待されているのが「抗酸化作用」です。
細胞を損傷させ老化を促進すると言われる悪玉活性酸素と結びつき、無害化してくれると考えられています。
その他、活性酸素は糖尿病や心筋梗塞の原因物質のひとつとも言われ、水素水がそれらに好影響を及ぼしたという実験データもあるなど、ますますその効果に期待されています。
一方で水素水は効果がないという声も多く、肯定派と否定派で盛んに議論されています。
水素水の効果については良い結果を示す論文がある一方で、その因果関係が水素水のおかげと証明されていなかったり、疾病者に対する試験など、広くあまねくヒトでの信頼できる有効なデータが見当たらないなど、平行線をたどっています。
しかし効果があるないの前に、水素水に水素が入っていないとなったら問題です。
実際に飲んでいる消費者から水素水に関する相談件数が増加していることを受け、国民生活センターが市販の水素水の溶存水素濃度を調査し、2016年12月にその結果を発表したところ、ペットボトルに入っている商品には水素が検出されなかったと発表しました。
効果があるかないかの医学的な立証はともかく、水素水に水素が入っていないのであればどうしようもありませんのでそこは気を付けて選びたいですね。
では水素水を飲む場合、どのような水素水を選べばいいのでしょうか?
先に出た商品も工場出荷時は水素が充填されていたが、飲むときにはなくなっていたと考えられます。
というのも水素は分子が小さく、ペットボトルなどにある「わずかな隙間から外に漏れやすい」ことや、「水に溶けにくい」という難点があるためです。
そこで水素が逃げにくい「アルミパウチ」や「アルミボトル」などの特別な容器のものや、水素生成器やスティックタイプなど飲む直前に水素水を作るタイプが有効です。
ただアルミパウチにしても封を開けたら早めに飲みきることが大切です。
いずれにしても水素水は工場出荷時ではなく飲む時の濃度が重要ですので商品を選ぶ際には気を付けなければなりません。
期待と不安が入り混じる水素水。興味はあるけど高いお金を出して効果がなかったら困るな…という人も多いのではないでしょうか? …何を隠そう私もです…(;^_^A
そんな中、水素研究のドクターなどは一部の腸内細菌が食べ物の発酵過程で大量の水素を産生すると紹介しています。
注目すべきはその量!個人差・腸内環境により大きく異なりますが、なんと腸内で1日に作られる水素ガスの量は150ml~12ℓということです!!
最大に水素が溶けた市販の飽和水素水(1.6ppm)に含まれる水素は1ℓで1.6mgです。
これは水素ガスに換算するとわずか18ml!
1リットルの水素水を飲んで18mlと考えると、腸で作られる水素量の方が断然多いということになります。
もちろん、水素水を飲むことと腸内で発生させることのヒトへの影響は同じとは言えませんがとても興味深いデータです。
水素のパワーを摂りいれたい方は、水素水を飲むこともいいですが、ぜひ腸内環境を整え腸内細菌に多くの水素を作ってもらいましょう♪
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