今や男女ともに平均寿命が日本一の長野県。塩分摂取量が多いのに長寿として知られていましたが、長野県では減塩運動が日本一に押し上げた一因とも言われています。その一つが塩を使わない日本で唯一の漬物「すんき漬け」。最近注目を集める「すんき漬け」をご紹介します。
一般的に、漬物には塩がつきものです。野菜を塩を漬けることで
・野菜の水分を抜いたり、有害菌の繁殖を抑えて保存性を挙げる
・発酵を助けてうまみを引き出しだす
などの効果があります。
塩がなければ漬物が成り立たない程大事なものなのです。
しかしこの常識を覆した漬物があります。
それが長野県の木曽地方に伝わる伝統食品の「すんき漬け」という漬物。
塩を使わないで作る日本で唯一の漬物と言われています。
これだと塩分を気にせずに漬物を食べることが出来ますし、その健康効果も高く評価されています。
2015年5月29日の情報ライブビビットをはじめ、最近テレビなどでも目にする機会が増えてきた注目の漬物です。
※2016年3月19日の世界ふしぎ発見でもすんき漬けがとりあげられました
すんき漬けは赤カブの葉っぱを乳酸菌で発酵させて作られます。
しかしなぜ乳酸菌だけで発酵できるのでしょうか?
乳酸菌は乳酸というものを作り出し、phを酸性にする働きがあります。
有害菌は酸性を嫌うことが多いので、乳酸菌が十分にあると有害菌の繁殖を抑えることができるこが分かっています。
しかし、塩を使わないと乳酸菌が増える前に有害菌が繁殖してしまい、腐ってしまいます。
そのため前述のように漬物には塩が必要なのです。
ではすんき漬けはどのようにして有害菌を抑えたのでしょうか。
それは前年につくったすんき漬けを使うのです。
すんき漬けは植物性の乳酸菌を豊富に含んでします。前年のすんき漬けを交互に重ねることで最初から乳酸菌を多くし、有害菌の繁殖を抑えながら発酵させることができるのですね。
昔の方の知恵とはすごいなと感心してしまいます。
ちなみに最初はどうやったんだろう?と思う方もいるかもしれません。最初はヤマブドウや小梨・山梨を発酵させたものを使っていたそうです。しかし次第に前年のすんき漬けをタネに使うようになったのですね。
すんき漬けが注目を浴びているのは「無塩の漬物」というだけではありません。
その「植物性乳酸菌の健康効果」にも注目されています。
すんき漬けに含まれる乳酸菌の数は、同じ重さのヨーグルトに含まれる乳酸菌の数とほぼ同じぐらい豊富に含まれています。
さらにヨーグルトの動物性乳酸菌に対し、すんき漬けは植物性乳酸菌で、過酷な環境でも生存しやすいとされ、より腸内環境を整えてくれると言われています。
(※腸の働きについては本ページの下にある関連サイトもご覧ください。)
すんき漬けにしかいない乳酸菌が4種類もいるそうで、それらの働きも見逃せない要因かもしれません。
漬物は年中食べられるイメージがある方も多いと思いますが、すんき漬けはそうではありません。作られる時期はもちろん、作れる量も需要に対して少ないため全国の販売店で広く販売されていないのです。
具体的には、長野県の木曽地方付近で、冬にしか買えないと思って間違いないかと思います。
(私自身、シーズン終盤には売切れで買えませんでした・・・)
今はWEBで予約できるところもありますので、食べたい方は早めの予約がおすすめです。
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